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私の作品と道具 〜作家さんを訪ねて〜 Wrap Around R. 松下 純子先生

昨年11月に22冊目の著書「型紙なしでまっすぐ縫いの着物リメイク」を出版された松下純子先生にお話を伺いました。
シンプルなのにシルエットがきれいで普段にも着られるアイテムばかりです。

 

学生時代は、「服を着る意味」や「仕事着」「制服」「民族衣装」などファッションの文化的側面に興味をもたれ、ヨーロッパを一人旅しながら美術館をまわられたり、独学でデザイン画を描いたりされていました。アパレル企業に就職後は、技術系のお仕事で、衣料の機能面について深く考える機会が多かったそうです。

そんな松下先生が着物リメイクに興味を持たれたきっかけは、実家のお母様の「誰も着ない着物を処分する」宣言。それまではたとう紙に包まれ、しまい込まれて目にすることもなかった着物。お母様の思い出話や、絹の素材、伝統の色柄など興味深く、捨ててしまうのは惜しいと思われ、御祖父様の着物を一度ほどいてみることに。

そうすると、さっきまで人の衣服だったものが、長方形の、直線の布に戻り、そのほどいた布を並べると1つの反物に戻ったのです。たたむと平面なのに、身に纏うと美しく人の身体をカバーして立体的になる着物。ほどくと1枚の布に戻る着物。その機能性、無駄のなさにすっかり夢中になられ、ここから先生の「現代の着物」への探究が始まりました。

着物を素材に、現代に気軽に着られる、カーブを使わず直線でつくる衣類。直線だけでも様々な形にできることに発見があり、考えていると楽しく、面白いと、どんどん制作を続けられました。

ある程度作品数ができたころ、表参道のスパイラルホールで展示の機会をもたれます。「現代の着物」は、多くの方の胸に響いて、そこでの出会いが今の活動や本の出版につながっていきました。今では、たくさんの教室を開講されていますが、最初の授業では声が震えた、と仰っていました。回を重ねるごとに先生流の教室スタイルが出来上がって、みんなで楽しみながら作り方を学ぶサロン的な会になったそうです。ボタンを作ったり、簡単な草木染めを取り入れたり着物リメイクにプラスαもされています。

いつもご多忙な松下先生のリフレッシュを伺うと、なんと、ボクササイズやホットヨガ。何年も続けられていて、肩こりがなくなったそう。運動は「仕事を続けていく上でなくてはならないもの」だそうです。生徒さんは年上の方も多く、少し姿勢が悪くなったり、肩こり・腰痛等の不調をお持ちだったり。それで、今後も楽しく着物リメイクを続けてもらうために、今年の4月頃から、ソーイングと簡単な運動を組み合わせた教室を開講されるそうです。Wrap Around R.のホームページでアナウンスされますのでお楽しみに!

 

写真は大阪・谷町六丁目の築90年以上の町家を、先生とご主人、知り合いの大工さんとで再生したRojiroom(ロジルーム)。1階は、生徒さんが素材を買ったり、書籍掲載作品の試着ができます。2階の教室は広々としています。

著書ご紹介

先生の作品は直線が基本。「型紙なし」「まっすぐ縫う」、易しく作れるものばかりです。

 

『型紙なしでまっすぐ縫いの着物リメイク』
日本ヴォーグ社
おしゃれな洋服や小物28点。すべてフリーサイズ。着物リメイクのきほんや、素材選びについてもアドバイスを掲載。幅広い年齢層が楽しめる内容です。

 

『型紙いらずの着物リメイク 2Way楽しめるシャツワンピース』
河出書房新社
世代を問わず大人気のシャツワンピース。着物をほどいたそのままの幅を生かして、型紙不要、直線裁ち・直線縫いで作ります。1枚でも、重ね着でもすてき。

 

『型紙いらずのまっすぐ縫い いちばんやさしい洋服作りの教科書』
河出書房新社
型紙は一切いりません!
ふつうの洋服地を使って、四角く裁つだけ、まっすぐ縫うだけ。基本3つの型で、あなただけの1着が作れます!

 

 

 

Wrap Around R. 松下 純子先生 Profile

神戸出身、大阪在住。水着パタンナーとして就職。2005年にWrap Around R.(ラップアラウンドローブ)を立ち上げ、着物の幅を生かした服作りをコンセプトに活動されています。テレビや雑誌の他、着物リメイク教室や展覧会、ワークショップ開催など多方面でご活躍です。著書多数。

 

Wrap Around R.ホームページ http://w-a-robe.com

Rojiroomホームページ http://rojiroom.blogspot.com

Instagram @junko_wrap_around_r

Twitter @matsushitajunko

 

写真はアトリエ兼教室「Rojiroom」の玄関にて。新刊の表紙作品のブラウスをお召しです。