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私の作品と道具〜作家さんを訪ねて 歌川智子先生

『染織クリエイター』になるまで

『染織クリエイター』として手織りや手染めで数々の作品を制作され、講師としても精力的に活動されている歌川智子先生。
先生のお母様は手仕事がお好きで、家業のお店番の傍ら、よく縫い物や編み物をされていたそう。そんな光景を見ながら育った歌川先生も、自然と手作りを楽しまれるようになりました。
高校卒業後は美大に進学。自己表現の経験を積んだことや、色彩や構図について学んだことが、現在の作品制作にも活かされています。また、先生と手織りの出会いも美大でのこと。偶然入った教室で、30台ものはた織り機がびっしり並んだ光景を目にされ、「いいな~!素敵だな~!」と、憧れを抱かれたそうです。
その後、3人のお嬢様の母親になられた先生。お子様とは家にあるもので一緒に手作りをして遊ぶことが多かったそうですが、ママ友から「ぜひうちの子にも」と要望があり、子供向けの造形教室を開かれることになりました。
造形教室にはマニュアルがなく、全ては教える側のアイデア次第。工作や手芸、お絵描きに料理まで、作る楽しさを味わってもらえるように、アイデアを捻出されました。約12年間続いたこの活動が、歌川先生の講師としての原点になりました。

作家デビュー

子ども造形教室の先生として活躍されていたある夏のこと。気に入る夏物バッグが見つけられなかった先生は、ふとひらめいて、ご自宅にあったダンボールと麻ひもを使って手織りのバッグを制作されました。持ち歩いていると、周りのご友人からも好評で、「私も作って欲しい!」と嬉しい声がちらほら。それがきっかけとなり、輪織りバッグの制作を始められました。
ハンドメイドマーケットに出店されると、百貨店のバイヤーの目に留まり、催事会場で販売できることに。これが歌川先生の作家デビューとなりました。自己流での制作のため、はじめは戸惑いもあったそうですが、先生の不安とは裏腹にリピーターの方も現れ、その人気は広がっていきました。

一方で、実演販売をしているとダンボール織り機の作り方を知りたいというお客様もたくさんいらしたそう。“両面を一気に織りあげて、ハギ目のない袋状や筒状の織り地を織る”というオリジナルのアイデアを守るべく、『簡易両面織り機』として実用新案を取得されました。
その後、楽習フォーラムで輪織りバッグの認定講座が開かれることとなり、講師としての活動も本格化。樹脂素材の両面織り機『おりりん®』も開発されました。
2019年には、輪織り技法の普及とクラフトレクリエーションの提案、社会貢献などを目的とした活動の情報発信を目的に「日本輪織り協会」を発足されています。
※「おりりん®」はクロバーの商品ではございません。ご興味のある方は歌川先生のブログをご覧ください。

『咲きおり』での作品制作

輪織りの作品制作や講習活動がきっかけとなり、歌川先生はクロバーが支援する「パフェプロジェクト東京」の一員に。ハンドメイドイベントや講習会で、何度も講師を勤めてくださいました。
当初は手織り機『咲きおり』や『ミニ織り』など、クロバー商品の普及啓蒙活動がミッションでしたが、次第に「自分ならではのデザインで作りたい」という思いが強くなり、咲きおりでストールやお洋服などを制作されるようになりました。
歌川先生は趣味で洋裁もされていたので、当初は咲きおりで織った織り地をご自身で縫製されていたそうですが、現在は「よりハイクオリティーな作品をお客様お届けしたい」というお気持ちから、縫製はプロの方に委託されています。
咲きおりで制作された作品は『Atelier de Olive(アトリエ デ オリーブ)』というブランド名で販売されており、ファンの方もたくさん。先生のアトリエや展示会のほか、ハンドメイド作品販売サイトCreema(クリーマ)でも購入できるそうです。

現在の活動

レッスンは輪織りや咲きおりを中心に行われています。講習では生徒さんの好きな色や素材で作品を制作することができ、講習が終わるころには自然と各々の作風が出来上がっているそうですよ。
▼レッスンの詳細はこちら
輪織り  https://ameblo.jp/asahimo89/entry-12648706434.html
咲きおり https://ameblo.jp/asahimo89/entry-12648357245.html

コロナ禍になるまで頻繁に開催されていた展示会は、現在は年に2回のペースに(個展とグループ展を年に1回ずつ)。頻度は減ってしまったものの、今年6月の個展には本当にたくさんのお客様がいらしたそうです。今後はクロバーの本社がある大阪近郊でも展示会や体験会を計画されているそうで、先生の素敵な作品をたくさん拝見できるのが今から楽しみです。
また、コロナ禍になってからは、オンラインレッスンやYouTube、レッスン動画の制作など、新たな取り組みにも積極的にチャレンジされています。「できなくなった活動もたくさんあるけれど、身に付いたこともたくさん!」と明るくお話ししてくださいました。

さらに、先生が手染めされた麻ひもは、編み物用としても好評。こちらもcreemaで販売されています。品質の良さと豊富な色数が高く評価され、紅茶のパッケージにも採用されているそうですよ。

歌川智子先生 Profile

染織クリエイター。日本輪織り協会代表。パフェプロジェクトマイスター。作品制作や講習など、手織りや手染めの裾野を広げる活動に日々邁進されています。また、ブログを毎日更新されるなど、情報発信にも力を入れて取り組まれています。

▼ブログ「うたちゃんのおりりん日和」
https://ameblo.jp/asahimo89
▼ホームページ
https://asahimobag.com/
▼Instagram
https://www.instagram.com/tomoko_utagawa
▼Facebook
https://www.facebook.com/tomoko.utagawa
▼日本輪織り協会 公式ホームページ
https://waorikyoukai.webnode.jp

ご愛用のクロバー商品

Atelier de Oliveの作品は、40cmの咲きおりで制作されています。ソウコウは50羽を使われることが多いそうです。
古布を裂いてテープ状にし、織り糸として使用する「裂き織り」や、ストールなどのフサのカットには、『ロータリーカッター』を愛用されています。
輪織りのバッグには、『ラグ手芸針 中』を使って繊細なステッチワークを施されることも。
切れ味の良い『カットワークはさみ115』もお気に召して使ってくださっています。