グラフィックデザイナーとして数々の手芸本のブックデザインを手がけられる傍ら、「Sankaku Quilt」の一員としてパッチワーク・キルトの作品制作やワークショップを行われている橘川幹子(きつかわ もとこ)さんにお話をお伺いしました。

幼少期からお絵描き教室に通われるほど絵を描くのがお好きだったという橘川さん。
手作りにも興味があり、手芸本を眺めたり、フェルトのマスコットなどを作って楽しまれていたそうです。

高校卒業後は美大に進学され、グラフィックデザイナーに。
手芸系の出版社に勤めるご友人との再会がきっかけで、手芸本の装丁を始められることになりました。

本の装丁がお好きな橘川さんは、絵を描いたり刺しゅうを施して古本のブックカバーをリメイクされたこともあるそうですよ。作品は、以前インタビューでご紹介した矢崎順子さんのギャラリー「artist in」で展示されました。

Sankaku Quilt の結成

橘川さんが、バッグデザイナーの本城能子(ほんじょう たかこ)さんとパッチワーク・キルトユニット「Sankaku Quilt」を結成されたのは5～6年前のこと。
パッチワークの雑誌に携わる機会が多い橘川さんは、お仕事をする中で「海外のように、若い方にもっとパッチワーク・キルトを楽しんでもらいたい！」と考えられるようになり、大学の同級生だった本城さんにお声がけされたそうです。

並べ方やサイズを変えるだけでデザインが広がる「三角」に面白みを感じたことから、ユニット名が決まりました。

Sankaku Quiltの作品は、若い方にも親しみやすい、オシャレなデザインが特徴。
日常に取り入れやすい作品づくりを意識されていて、洋服のコーディネートを選ぶように布の柄を選ばれているそうです。

作品制作はお二人の「こんなのが欲しい！」から始まります。
それぞれの得意分野でアイデアを出しあって、話をしながら一緒に作り上げられます。

共著「かわいいパッチワークとキルト」

この秋には、共著「かわいいパッチワークとキルト」(グラフィック社)が出版されました。

本書は、懐かしいけど新しい、今のセンスで作るパッチワーク・キルト本。新しい世代の人気パッチワーク作家が作る、布を接ぎ合わせるパッチワークと手作りの世界です。自由な発想でいろいろな布を合わせて、シンプルだけど自分だけのものを作ることを提案しています。

実はデザインも橘川さんが担当されていて、作家さんを探すところから携わられたというから驚きです。

オシャレでイマドキな作品と橘川さんのこだわりが詰まった1冊です。
既にパッチワークを楽しまれている方はもちろん、初めての方も楽しめる内容ですので、ぜひご覧になってくださいね。